| HAWKにまつわるラブストーリー |
「もう…別れようか。」
そう言われたのは3日前。 何度も「なんで?」って聞いたのに、結局教えてくれなかったね。 だからいっぱい考えてみた…でもありすぎて分からなかったよ。
今日も私は泣いたの。 いくら泣いても涙が止まらない。 あなたの笑った顔が好きだったけど、今は笑っていてほしくないって思っちゃう。 それってダメかな…?自分勝手??
5日前にくれたメールを読み直したよ。 「こないだカナが行きたがってたケーキ屋が雑誌に載ってたぞ!今度の休みに絶対行こうな!!」
うそつき…。
6日前にくれたメールを読み返したよ。 「おつかれ。今日はバイト忙しくってクタクタ。早く休みになってカナに会いたいな。」
うそつき…。
7日前にくれたメールも読み返したよ。 「今日でちょうど一年だな。これからもずっと一緒にいような。大好きだぞ!!」
大うそつき…。
人の気持ちって一週間で変わるもの? それとも、その時から嘘だったのかな…?
次の休みのデート、すごく楽しみだったんだよ。 雑誌も買って読んだんだよ。 なに着ていこうかって、もう決めてたんだよ。 その日のために洋服も買ったよ。 「似合ってる」って言って欲しかったのに…。 もう言ってもらえないね。
休みまで待たずにもっと早く会っていたら、別れなんてこなかった? あの時こうしておけば…っていっぱい出てくる。 後悔なんてしたくないのに…。
飽きちゃったの? それとも私がワガママだから? 理由ぐらい教えて欲しかったよ。 そしたらもっと早く忘れられるかもしれないのに…。 それって言い訳かな? だって本当は聞いてもたぶん忘れられないもん!
理由を言ったら、もっと私が傷つくと思って言わなかったのかな? コウちゃん、優しかったから。 でもそんな優しさ、いらないよ…。 そんな優しさ、ズルイよ!
コウちゃんはいつから決めてたの? ぜんぜん気づかなかった。 私が鈍感なだけ…? 少しぐらい見せてくれてたら、もっとラクだったのに…。
今日、コウちゃんのアドレス消したよ。 でも頭の中と指先がコウちゃんのアドレス覚えてるの。 私の体にもクリアボタンがあったらいいのに…。
いなくなると、いっぱい思い出すね。 一年も一緒にいたから、一緒にいて当たり前になってたけど…いなくなると思い出すね。 コウちゃんの笑った声・髪の毛をさわる癖・香水の香り…。
やっぱりまだ思い出なんかにしたくないよ。 2人で撮った写真、まだ飾ったままだもん! コウちゃんとのペアリング、まだ付いたままだもん!
もう一度だけ頑張っちゃダメですか…?
「もう別れようか。」
そう言われたのは5日前。 私はまだ泣いてます。
何度もメールを作って、何度も消した。 送信ボタンが押せないよ。
あんなに気を使わず、一緒にいて凄くラクだったのに…別れた途端、凄く気を使っちゃう。 なんか不思議な感じだよ。
何度もメールの問い合わせをした。 来てないって分かっているのに…。 もっともっと落ち込むくせに…。 それなのに問い合わせしちゃう。 バカみたい…。
5日も連絡しないの初めてだね。 コウちゃん、毎日メールくれたから。 今はそれがすごく辛いよ…。
コウちゃんがいつもくれてた「おやすみ」のメール。 今はその時間が一番辛い。
やっぱり期待しちゃうんだ。 今日こそはメールくれるんじゃないかって。 「おやすみ」って入ってくるんじゃないかって。 ホント、バカみたい…来るわけないのに。
ケータイの待ち受け、コウちゃんからミッキーに変えちゃった。 やっぱり見てるの辛いから…。
でもホントはミッキーも辛い。 二人で行ったディズニーランドを思い出すから…。
いっぱい思い出しちゃうんだ。 近所のコンビニも地元の駅も…すべてにコウちゃんの思い出がいっぱいだよ。
この部屋でもいっぱい話したね。 バカな話や将来の夢…子供の名前とかまで考えたりしちゃってさ。 そんな楽しい思い出が今ではホントに辛いよ…。
だから正直、居場所がない。 どこにいても思い出しちゃうから…。 自分がこんなに弱かったんだって初めて知ったよ。 こんな自分が嫌いです。
毎日、悩んでるんだ。 もう一度頑張るべきか、忘れるべきか…。 その答えは毎日違う。 どうしていいか分からないよ。
ねぇ、覚えてる? 二人でお揃いのTシャツ買ったの。 「ペアルック恥ずかしい」って二人で大笑いしたね。 でも凄く嬉しかった。 幸せだった。 今では私の宝物だよ。
ねぇ、今でも持っててくれてる?
「ここのHAWKってブランドのTシャツを恋人同士で着ると、ずっと一緒にいれるって噂があるんだってさ。なぁ、俺たちも買おうぜ!?」
「そうなんだぁ!でもカワイイTシャツばっかだねぇ。」
「じゃあさ、お互いでプレゼントし合わねぇ?」
「いいねぇ!じゃあ、お互いがそれぞれのを選ぼうよ。」
「いいねぇ!でもお揃いのTシャツって恥ずかしいかな。」
「うん…チョットね。」
「でもいいっかぁ!たまにはバカップルっぽいのも。」
このあと二人で大笑いしたね。 凄く楽しくて、幸せだったよ。
「もう別れようか。」
そう言われたのは半年前。 風の噂で聞きました…コウちゃんが死んだって。
ずっとコウちゃんは一人で戦ってたんだね。 私のこと苦しませないように気を使って、ずっと一人で戦ってたんだね。
病気だったなんて知らなかった。 病気だったなんて気づかなかった。 やっぱりコウちゃんは優しくて、強いね。
私は弱いよ。 ずっと…ずっと…涙が止まらない。
コウちゃんは私を苦しませないように別れを選んだんだね。
コウちゃんのお母さんに聞いたよ。 ずっと病室にTシャツ飾ってくれてたんだってね。 コウちゃんの日記も見ちゃった。 全部、私のことばっかじゃない。
私もこの半年間、ずっとコウちゃんのこと考えてた。 コウちゃんのこと想ってた。
「やっぱり私はコウちゃんが好き!!」
コウちゃんの最後の日記…。 「リカ、絶対幸せになってくれ!!」
最後ぐらい自分のお願い書けばいいのに…。 ホント優しい。 もうバカだよ!!
ホントにバカ! バカバカバカバカバカバカバカバカ!! 一人で全部抱え込んじゃって。 もっと私に頼ってよ!!
でもそれがコウちゃんだもんね。 私が好きなコウちゃんだもんね。
実はコウちゃんに嬉しいお話があるの。
子供ができたんだ。 コウちゃんの子供だよ。 もちろん産むよ。
コウちゃんの生まれ変わりかな。 んっ?でもそれじゃあ、コウちゃんが子供になっちゃうか。
きっとコウちゃんに似た優しい子供だろうな。 でも私に似たらワガママな子供になっちゃうかな。 やっぱりコウちゃん似がいいな。
あの噂、やっぱり嘘じゃなかったね。 HAWKってブランドのTシャツを恋人同士で着ると、ずっと一緒にいれるって噂。
だってずっと一緒だもんね。 近くにはいれなくても、二人の気持ちはずっと一緒だもんね。
「私はコウちゃんが大好き!!」
私はしっかり生きていきます。 だってお母さんになるんだもん!! ずっと弱虫じゃダメだよね。 ずっと泣き虫じゃ、コウちゃん心配するもんね。
だから強く生きていきます。 だからコウちゃんはチャント天国に行って幸せになってね。 これが私の最後のお願い。
いっぱいいっぱい大好きだよ。 さよなら…そしてまたいつの日か二人で笑おうね!!
 
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